海外のディズニーリゾートでは、スマートフォンが旅の道具になります。地図、配車アプリ、翻訳、パークの待ち時間の確認、家族との連絡。どれも、通信できてはじめて役に立ちます。

日本の携帯会社の国際ローミングは手軽ですが、料金が割高になりがちです。海外用のWi-Fiルーターを借りる方法もありますが、受け取りと返却が必要で、荷物も増えます。そこで選ばれているのが、スマートフォンに通信の設定を取り込んで使う「eSIM」です。

この記事では、日本で申し込める海外eSIM17サービスを比べます。対象は、アメリカ(オーランド、カリフォルニア)、フランス(パリ)、香港、中国(上海)の4か国です。各社の公式ページで確認できた内容だけを使い、確認できなかった項目は「未確認」と書きました。確認日は2026年10月28日から29日です。

対象の国

アメリカ、フランス、香港、中国(5つのディズニーリゾート)

比較したサービス

eSIM17サービスと、Wi-Fiルーターのレンタル1サービス

注意点

「無制限」でも、1日の高速通信には上限がある場合が多い

通話・SMS

多くはデータ通信専用で、電話番号は付かない

確認日

2026年10月28日から29日(料金は各社の公式表示)

選ぶ前に知っておきたい懸念点

「無制限」は、高速通信が無制限という意味ではありません

比較で最も見落としやすいのが、無制限プランの中身です。公式ページを読むと、多くの無制限プランには「1日の高速通信量」が決まっています。

  • グロモバeSIMのアメリカは、1日2GBを超えると最大256kbpsに低速化します。フランスと香港、中国は1日3GBまでで、超えるとフランスと香港は最大128kbps、中国は最大256kbpsです。
  • Voye Globalの無制限プランには、1日最大500MBの高速データが含まれ、超えると速度が下がります。
  • TORA eSIMのデイリープランは、毎日0.5GBまたは1GBまで高速で、超えると128kbpsに下がり、翌日に戻ります。
  • eSIM-sanのアメリカのデイパスは、1日500MBまでが高速で、超えると128kbpsです。

地図や配車アプリを使う程度なら問題になりにくい一方、動画やテザリングを多く使うと上限に届きます。料金の安さだけで選ばず、1日あたりの高速通信量を見てください。

多くのeSIMは、通話とSMSができません

eSIM square、グロモバeSIM、Glocal eSIMなどは、データ通信専用です。電話番号は付かないため、通話やメッセージはLINEなどのアプリで行います。電話番号付きのプランがあるのはJAPAN&GLOBAL eSIMとSimmyで、公式ページに案内があります。ただし、4か国のプランに電話番号付きがあるかどうかは、確認できていません。

スマートフォン側の条件があります

eSIMに対応した機種で、SIMロックが解除されている必要があります。JAPAN&GLOBAL eSIMの公式ページには、中国本土で販売されているiPhoneはeSIMに対応していないという注記があります。中国のディズニーリゾートへ行く場合も、日本で購入した機種を使うかどうかが分かれ目になります。

設定の期限と返金の条件は、会社ごとに違います

グロモバeSIMは購入後30日以内の設定が必要で、返金はできません。eSIM-sanのアメリカは、購入から90日以内に開通させる必要があります。Ubigiは購入後6か月以内に有効化されないと失効します。反対に、eSIM-sanは「使えなければ全額返金」、JAPAN&GLOBAL eSIMは「全額返金補償」を案内しています。補償の対象は各社で決まっているため、申込画面で条件を確認してください。

それでもeSIMが選ばれる理由

到着してすぐ使えます

eSIMは、メールで届くQRコードを読み取るだけで設定できます。TORA eSIMは、出発前に日本国内で設定でき、利用開始は現地で電波をつかんでからになると案内しています。World eSIMは、注文から約5分で設定の情報が届くと案内しています。空港で現地のSIMを探す必要がありません。

日本のSIMを抜かずに済みます

eSIMはスマートフォンに内蔵されているため、いつもの電話番号の回線を残したまま、データ通信だけを海外用に切り替えられます。TRAVeSIMの公式ページも、主回線を継続して使えると説明しています。

費用を抑えやすくなります

TRAVeSIMの公式ページには、5日間で5GBを使った場合の同社の試算があります。国際ローミングは14,900円、Wi-Fiレンタルは9,420円、TRAVeSIMは1,980円という内容です。条件は一例であり、他社も含めた比較ではありません。ただ、国別のeSIMは、ローミングよりも低い料金から選べる点は共通しています。

ディズニーリゾートの国別に見る対応状況

5つのリゾートは、アメリカ(フロリダ州のオーランドとカリフォルニア州)、フランス(パリ)、香港、中国(上海)の4か国に分かれます。各社の公式ページで、4か国が個別に選べるかを確認しました。

サービス アメリカ フランス 香港 中国
Airalo ○ ○ ○ ○
Saily ○ ○ ○ ○
Yesim ○ ○ ○ ○
Cross eSIM ○ ○ ○ ○
グロモバeSIM ○ ○ ○ ○
TRAVeSIM ○ ○ ○ ○
eSIM square ○ ○ ○ ○
World eSIM ○ ○ ○ ○
trifa ○ ○ ○ ○
SkyeSiM ○ ○ ○ ○
Voye Global ○ ○ ○ ○
Ubigi ○ ○ ○ ○
eSIM-san ○ 未確認 ○ ○
TORA eSIM ○ 未確認 未確認 ○
Glocal eSIM 未確認 ○ 未確認 ○
JAPAN&GLOBAL eSIM 未確認 未確認 未確認 未確認
Simmy 未確認 未確認 未確認 未確認

「○」は、公式サイトに4か国のうち該当の国の案内があることを示します。「未確認」は、今回の調査で公式ページから確認できなかったという意味で、対応していないという意味ではありません。JAPAN&GLOBAL eSIMは190以上の国と地域、Simmyは190の国と地域に対応すると案内されています。

公式ページで確認できた料金

料金は、各社の公式ページの表示です(2026年10月28日から29日時点)。プランは日数や容量で細かく分かれるため、確認できた代表的なものを載せました。最終的な支払額は、申込画面の表示が基準です。

サービス 確認できた主な料金
Airalo 4か国とも最低650円(1GB・3日間)。無制限は、アメリカ3日1,900円・7日4,100円・15日7,500円・30日11,050円
Saily 最低3.99米ドル(アメリカ、フランス、香港)、中国は4.49米ドル。アメリカの無制限は5日から30日で、15日が45.99米ドル
Yesim 1日あたりの最安表示は、アメリカ1.80米ドル、フランスと香港2.28米ドル、中国2.52米ドル
TRAVeSIM アメリカと中国は1GB・7日で500円、フランスと香港は600円。アメリカは10GB・30日で3,370円
eSIM square アメリカ、香港、中国は300MB・10日で210円。アメリカの無制限は7日3,780円、香港は3日1,960円、中国は3日1,970円
グロモバeSIM 無制限・1日で、アメリカ1,310円、フランス880円、香港890円、中国460円
Glocal eSIM 中国の無制限は、3日1,680円、7日2,980円、15日5,880円、30日7,880円(不課税の表示)
Ubigi アメリカは10GB・7日で2,000円、無制限・15日で6,300円、50GB・30日で7,800円
Voye Global 1日・500MBの最小設定で、アメリカ247円、中国241円。日数と1日の容量を組み合わせて決める方式
Simmy 1.99米ドルからと案内(4か国の個別の料金は確認できず)

Cross eSIM、World eSIM、TORA eSIM、eSIM-san、trifa、SkyeSiM、JAPAN&GLOBAL eSIMは、日数や容量を選んだあとに料金が表示される形式で、比較のために横並びにできる金額を取得できませんでした。金額を書かず、各社の特徴を次の節にまとめています。

17サービスの特徴

Airalo

世界200以上の地域に対応し、24時間年中無休の多言語サポートがあると案内されています。4か国とも最低650円から選べ、無制限プランは3日から30日の間で選べます。4か国の価格が分かりやすい点が長所です。

Airalo

Saily

アメリカ、フランス、香港が3.99米ドル、中国が4.49米ドルからです。表示は米ドルのため、為替の影響を受けます。アメリカと中国には無制限プランがあります。

Saily

Yesim

日本語のページがあり、1日あたりの料金で選べるプランが中心です。Pay & Flyでは、170以上の国で1GBあたり1.10米ドルからと案内され、使い切れなかった残高は次の旅行に使えます。テザリングは追加料金なしで使えますが、使った分は契約のデータ量から引かれます。

Yesim

Cross eSIM

クロスデータ株式会社が運営する、2026年4月に開設されたばかりのサービスです。公式ページでは125以上の国と地域に対応しています。4か国のページは、すべて無制限プランの案内で、テザリングが使え、本人確認(eKYC)は不要と明記されています。回線は、アメリカがAT&TとVerizon、フランスがOrange、Bouygues、Free Mobile、香港がCSLとChina Telecom、中国がCMCCです。

Cross eSIM

グロモバeSIM

株式会社インバウンドプラットフォームが運営し、149か国以上で使えます。4か国すべてに専用ページがあり、1日から選べる無制限プランの料金が最も分かりやすいサービスです。テザリングが使え、本人確認は不要で、LINEサポートが365日あります。返金はできません。

グロモバeSIM

TRAVeSIM

140か国に対応し、日本語のサポートが24時間365日あります。固定容量のパッケージと、データ使い放題の2種類があり、アメリカは1GBから20GBまで6つの容量が並びます。小さな容量から選べるため、使う量が読める人に向きます。

TRAVeSIM

eSIM square

株式会社テレコムスクエアのサービスで、200以上の国と地域に対応し、24時間の日本語サポートがあります。主要空港で対面の案内を受けられる点も案内されています。300MBの小さなプランから、無制限まで幅広く揃います。確認できたアメリカ、香港、中国のプランは、通話とSMSに対応していません。

eSIM square

World eSIM

東証プライム上場の株式会社ビジョンが運営し、200以上の国と地域に対応します。4か国それぞれの専用ページがあり、1日から60日まで日数を選べます。注文から約5分で設定の情報がメールで届き、サポートは24時間365日の受付です。

trifa(トリファ)

運営は株式会社トリファです。公式サイトに、アメリカ、フランス、香港、中国の国別ページがあります。アプリで購入と管理をする形式です。料金は取得できませんでした。

SkyeSiM

株式会社FREEDiVEのサービスで、203の国と地域に拡大したと案内されています。プラン選択の画面で、アメリカ合衆国、フランス、香港、中国をすべて選べます。テザリングは使えます。香港は、本人確認が必要になる場合があると注意書きがあります。

Ubigi

アメリカ向けは、買い切りのプランが中心です。回線はT-Mobileで、ハワイは対象ですがアラスカは対象外と案内されています。データを使い切ったときは、すぐに追加で購入できます。アメリカ、フランス、香港、中国の4か国とも、料金一覧に載っています。

Voye Global

130か国以上に対応し、表示通貨は日本円です。日数と1日の容量を組み合わせて決める方式で、アメリカはVerizon、中国はChina Mobileの回線と案内されています。テザリングは使えます。

eSIM-san

株式会社Gran-Cが運営します。「使えなければ全額返金」の保証と、LINEサポートがあり、アプリのインストールは不要です。アメリカは、Verizon、AT&T、T-Mobileに対応し、1日500MBのデイパスから、無制限まで選べます。中国と香港の商品ページもあります。

eSIM-san

TORA eSIM

アメリカと中国の専用ページがあります。無制限プランは1日から30日まで1日単位で選べ、毎日0.5GBや1GBの高速通信が使えるデイリープラン、期間内の容量を使い切る3GBから20GBのプランもあります。購入後すぐに発行され、LINEサポートもあります。

TORA eSIM

Glocal eSIM

株式会社グローカルネットのサービスです。中国には無制限プランがあり、3日から30日まで選べます。フランスにも専用のパッケージプランがあります。eSIMは購入後1時間ほどでメールが届くと案内されています。

Glocal eSIM

JAPAN&GLOBAL eSIM

イン・プラス株式会社のサービスで、190以上の国と地域に対応します。購入後は数秒でメールが届き、日本語サポート、全額返金補償があります。電話番号付きのプランが用意されているのも特徴です。

JAPAN&GLOBAL eSIM

Simmy

アプリで購入するタイプのサービスです。190の国と地域に対応し、無制限プランや電話番号付きのプランがあります。5Gに対応し、1.99米ドルから選べると案内されています。

eSIMとWi-Fiルーターのレンタルの違い

「グローバルWiFi」は、ビジョンが運営するWi-Fiルーターのレンタルサービスです。同じ運営元が、eSIMとして提供しているのが、先ほどのWorld eSIMです。

ルーターは、1台で複数人の端末を接続でき、スマートフォンの機種を選びません。その代わり、受け取りと返却、充電の手間があります。eSIMは、荷物が増えず、設定を済ませれば端末だけで使えますが、対応機種が必要です。家族みんなが対応機種を持っていて、各自が使うならeSIMが身軽です。対応機種が少ない場合や、1台に集約したい場合は、ルーターも選択肢になります。

ディズニーリゾートの旅での選び方

3日から5日の短い旅なら、容量が選べるプランが向きます

地図と配車アプリが中心なら、TRAVeSIMやeSIM square、Airaloの固定容量のプランが、安く収まりやすくなります。アメリカで3GBを7日使う場合、eSIM squareの公式表示は1,470円です。写真や動画を多く送る場合は、容量を一段上げる方が安心です。

毎日たくさん使う、家族で共有するなら、無制限の中身を見ます

グロモバeSIMのように、1日の高速通信量が公式ページに書かれているサービスは、使い方を想像しやすい点が利点です。無制限を選ぶ場合も、1日2GBから3GBを超えたら低速になることを前提に、テザリングで家族に分ける量を考えてください。

国をまたぐ旅なら、周遊プランも候補になります

パリとロンドンを組み合わせるなど、複数の国へ行く場合は、各社の周遊プランが便利です。TRAVeSIMとTORA eSIMには、ヨーロッパを周遊できるプランがあります。国ごとに買い直す必要がなくなります。

中国は、回線と端末の条件を先に確認します

中国向けのeSIMは、会社によって回線の名称が違います。Voye GlobalはChina Mobile、Cross eSIMはCMCC、eSIM squareはCMLINKと案内されています。購入する前に、お使いの機種が日本で購入したものであることを確認してください。

まとめ

4か国に対応する17サービスのうち、公式ページで4か国すべての案内を確認できたのは12サービスでした。そのうち、料金を横並びで確認できたのは、Airalo、Saily、Yesim、TRAVeSIM、eSIM square、グロモバeSIMです。迷ったときは、この6つから選ぶと、料金の見通しが立てやすくなります。

選ぶときは、次の3点を見ます。

  1. 1日に使う量に対して、高速通信の上限が足りているか。
  2. 通話やSMSが必要かどうか。必要なら、電話番号付きのプランがあるサービスにするか、通話アプリで代用するか。
  3. 設定の期限と返金の条件が、旅行の日程に合っているか。

出発前に日本国内で設定を済ませておけば、現地に着いてからの操作が少なく、空港で慌てずに済みます。ディズニーリゾートでは、待ち時間の確認や家族との連絡で、通信が途切れないことが大きな安心につながります。

料金とプランは変わることがあります。この記事の金額は、2026年10月28日から29日時点の各社の公式表示で、最終的な支払額は申込画面の表示が基準です。